長文:コーヒーをたっぷり飲んだあとは…

え〜と、何処から話せば良いものか…。
まずtwitterなどをご覧の方は、私が今週仕事で上海に行っていたのはご存知かと思います。
月曜日〜木曜日、つまり昨日まで僕は仕事の関係で上海に行ってました。
その準備をしていた日曜日の夜、事件は起こりました。
TVでは統一地方選挙の速報で盛り上がっていた日曜日の夜23時を回った頃。
翌日の出張は早朝に家を出る必要がありましたが、まだ出張の準備は終えていませんでした。
まぁ、仕事の資料や持っていく職場のノートPCのなどはカバンに入ったまま。こっちの準備は職場で済ませています。
なので準備と言ってもパスポートや着替えをキャスターバッグに詰めるだけ。いつでも出来ると言う油断と、やる気の無さからダラダラとTVに映しだされる速報を眺めておりました。砂糖たっぷりのコーヒーを飲みながら…。
そんな訳でテーブルの上にはコーヒーがたっぷり入ったカップと、翌日の時刻表を調べるために立ち上げたノートパソコン。

ふと、手がコーヒーカップにぶつかったのでした。

カタンと音を立ててコーヒーカップが倒れた先は、ノートPCのキーボード。

キーボードの上にぱーっと広がった琥珀色の液体…それは砂糖たっぷりのコーヒー。(涙)

そこから先は、もう大騒ぎ。

キーボードの上にティッシュペーパーやら雑巾やら片っぱしから積み重ね、コーヒーを吸い取ったり拭き取ったり…もう泣きそうです。
パソコンは分解できるところは分解してコーヒーを拭き取りました。
マザーボード中央部への浸水は何とか防げたようですが、周囲はかなり絶望的な状態で、USBコネクタやらVGAコネクタの中からも、コーヒーが滲み出してきていました。

そんな訳でPCを三枚におろして片っぱしから拭き掃除を行ったのですが、一番の問題は直撃を受けたキーボードでした。
こいつは一体成型になっていてキートップを外すのも困難。頑張れば外せそうですが、かなり繊細な部品のはめ込み構造なので、全てのキートップを破損なしに外すのは困難。
綿棒で拭き掃除をしようとしましたが、隙間が細すぎて掃除できません。とりあえず、爪楊枝の先にキッチンペーパーを細く裂いたものを巻きつけ、綿棒の代わりとして拭き掃除をしました。
ここまで終えて、既に時刻は月曜の午前3時過ぎ。
この日は元々上海に向かうために朝5時起きを予定していたので、殆ど寝る暇もありません。
とりあえず、あとは運を天に任せてパソコンを週末まで放置する事を決め込み、出張準備をして2時間弱の睡眠をいたしました。

翌朝、出かける前にパソコンのキーボードを叩いてみると、キートップが沈んだまま浮かび上がってきません。そりゃ砂糖いっぱいの液体の直撃を受けた訳ですから、キーボードの可動部分がニチャニチャになっているんでしょう。
泣きそうになりながら上海へ…。

昨日、帰国後早速パソコンのキーを叩いてみました。

「じゃりっ」

すごい音がしてキーが沈みます。キートップは浮かび上がってみません。
1週間かけて乾燥したコーヒーの砂糖が、完全にキーボードのメカ部に固着しているようです。
悔し紛れにバンバンとキーボードを叩いたら、少しキーボードの動きが良くなったのですが、数時間後にはまた

「じゃりっ」

と固着した模様。
昨日はそこで諦めました。
ただ、勝算が無かったわけではありません。洗浄が出来れば良いのです。

水で洗浄出来れば一番楽なのですが、洗浄後に水が残っていると金属を腐食させたり回路をショートさせたりするので一体構造のキーボードには使えません。
昔、水没したゼンマイ式腕時計をベンゼンで洗浄した事はありますが、ベンゼンの扱いが面倒なことと、恐らくキーボードを構成するプラスチックやゴムといった部品にもあまり良い影響を与えないだろう事から却下。
ただ、水よりも揮発性が高い洗浄液を使うことは良いアイデアです。

という訳で、本日ドラッグストアで購入した最終兵器は無水エタノール。アルコール度数99。5%という、純粋なエチルアルコールです。

ノートPCのキーボードを取り外して風呂場へ持ち込み、コーヒーをかけたときのようにバシャバシャとキーボードの上にエタノールを引っ掛けます。
そして、アルコールでヒタヒタになったキーボードのキートップを、ジャリジャリ感が無くなるまでひたすら叩きまくり、アルコールを拭き取ります。
これを3度くらい繰り返した後で、綺麗にアルコールを拭き取り乾燥させます。
アルコールは揮発性が高いので結構早く乾きますが、隙間にアルコールが残ると、やはり樹脂製部品に良くないのでキッチンペーパーでよく拭きとり、最後は軽くドライヤーの温風をあてました。

結果は…完全復活。(^^)v
何とかコーヒーをこぼす前の状態に戻りました。

実は掃除をしたと思っていた本体も、バッテリ着脱レバーが固着していたので、スポイトでレバーの可動部にアルコールを挿して、動くようにしてから拭き取ったりと細かい作業はあったのですが、アルコールの威力は絶大でした。

そんな訳で、本日の記事のタイトル「コーヒーをたっぷり飲んだあとは…」に続く言葉は「アルコール」が正解。
もっともこんな思いは二度としたくないので、コーヒーを飲むときは気をつけるようにします。

あ、ドラッグストアでは「消毒用エタノール」というのも売ってますが、こちらはアルコール度数80%程度。水で薄めてあるので洗浄には使えません。
洗浄には「無水エタノール」を是非。お薦めです。(^^;)

あと…作業場所の換気は十分にしてね