SONYの本気に期待と心配
ここ数日、心配していることがある。
ソニー・エリクソンのXperia PLAY発表である。
これでソニー・エリクソンはAndroid陣営をPSP陣営に巻き込んでしまった。
いや、ここまでソニーが本気になるのは悪いことじゃない。
少なくともソニー・エリクソンは、老舗の任天堂は言うに及ばず、ゲーム機、スマートフォンの総合プラットフォームとしてモバイル端末のトップに君臨するアップルとも対等に戦える可能性を秘めたプラットフォームを用意したわけだ。
しかも、実態はAndroid2.3搭載のゴクゴク普通のスマートフォンである。
つまり今後Androidでゲームを作る場合、Xperia PLAYをターゲットにする事がスタンダードになるかもしれない。
これはXperia PLAYには非常に心強い味方を得たことになるのかもしれないが、果たしてAndroidには良いことだったのだろうか?
いや、短期的に見れば良いことなのだと思う。
では中長期的に見た場合はどうなのだろう?
僕が引っかかるのは、Androidに近寄ってきたのがソニーだと言うこと。
かつて、ソニーはPalm陣営にClieを引っさげて登場し、Palm陣営も非常に活気に溢れた。
やがて、ClieはPalm陣営に波紋を投げかける。
ClieはストイックなPDAと言う枠から飛び出し、ハイレゾ、音楽再生などエンターテイメント性を全面に出して、他のPalmデバイスとは異色の存在となる。
また、ユーザーもそれを求めて飛びついた。
…その結果がどうなったのかは、Palmを愛した人ならご存知だと思う。
ソニーの独り勝ちで他のメーカーが日本市場から撤退。
結局、その後PDA市場がスマートフォンへ推移する中でClieも撤退し、日本市場からPalmデバイスが消えてなくなってしまった。ユーザーがまだ沢山残っていたのに…だ。
XperiaでAndroid市場に参入したソニー・エリクソンを、当時のソニーと重ねて見てしまうのはいけない事なのだろうか?
ここからは僕の想像だが、ソニーのゲームプラットフォームとしてAndroidは必須条件じゃない。
少なくともソニー・エリクソンにとって、スマートフォンとしてのAndroidは必要なものなのだと思う。依存していると言っても良い。
しかしゲーム機としては手頃なプラットフォームとしてAndroidが近くにあっただけだろう。少なくとも僕はそう思う。
そしてそれは、かつてソニーがClieを世に送り出したときの条件とよく似ていると思う。
別にAndroidが衰退したとしてもそれは構わないと思っている。
10年後には、AndroidだけじゃなくiOSやその他のOSだって生き残っているかどうか分からない。
ただし、PalmOSのようにユーザーが沢山いるうちに足元の梯子を外すような真似だけは、どこのメーカーにもしてほしくない。