Palmコミュニティのあり方

陰郎さんのBlogに書いてありました。

ですから、これは私の考えですが、Palmに関するコミュニティレベルの情報提供や活動に対して、対価が得られるようなしくみを構築する必要があると思っています。今は情熱だけでは難しい。すごい反対意見や非難があることを怖れずに書いています。

今まで、活動や情報提供はボランティアで、お金の部分は企業に任せていたのがパームコミュニティでした。それで全然よかったんです。でも、今はパームコミュニティが自分達の世界を経営するという概念を持つ必要があると思っています。自分たちの世界を守り、発展させるために。

この気持ち、とっても良くわかります。特に前半の「情熱だけでは難しい」というくだりはPalmコミュニティ、いやPDAのコミュニティの現状をよくあらわしていると思っています。
僕はPDAが好きです。
でも世の中を見回したとき、PDAという存在の軽さを思い知らされます。
モバイル情報端末の本命として持て囃されていたのは過去の話となり、悪い言い方をすれば、情報端末の主役を携帯電話に奪われたコミュニティは過去の栄光にすがって、ようやく生き長らえていると言った状態です。

さて、今半の文章の要点である「コミュニティが経営の概念を持つ必要」という件、これは大まかには「コミュニティのあるべき姿をコミュニティ全体で考えて方針を決定していく」と言う事に他ならないと思っています。企業で言うところの「経営方針」ですね。
その中には、陰郎さんの仰っていた金銭的な話も含まれると思っています。

ただね、僕としてはそれ以前にコミュニティをもっと魅力的なものにする必要があるのだろうなと思っています。
外部から見たら、現状はごく少数の(携帯電話と比べたら本当に小数です)PDA好きが寄り集まっているところにしか見えない訳です。魅力なんてありません。
まずは、一般の人にPDAを使ってみたいと思わせること。
これが出来れば、コミュニティは今以上に活性化する事でしょうし、陰郎さんの考えている金銭的なところも、より自然な形で流れ始めると思います。
まぁ、陰郎さんの意見とは順序が違うかもしれませんが、卵と鶏の関係。目指すところも考え方もそんなに外れているとは思ってません。どちらが先でも、それを回す力があれば上昇スパイラルとなるでしょう。

魅力的なコミュニティ作りなんて大それた事は一人の力で出来るものじゃないですが、それを目指して皆がアレコレと知恵を出し合うのは可能です。
そんな中の一人として、僕はプログラムを提供し続けているのだなぁと思っているわけです。

と言う訳で、本文はここまで。
オマケで少しだけネガティブな事を書いてます。

■オマケ■
Palmコミュニティは僕にとって居心地のよいところです。
大好きです。
僕のプログラムを使ってくれた人が、お礼から文句まで含めて色々と反応してくれる。
プログラマとしてこれ程嬉しくて楽しいことはありません。
だから、この場所(Palmコミュニティ)でプログラムを書いている訳です。

できれば長く存続して欲しいと思ってる。
だけど、それが難しい事だと言う事も、コミュニティの殆どの人が認識している(と思ってる)。

PDAが再び時代の流れに乗れなかった場合、どこかで僕も活動を停止する事もあるだろう。
それはプログラマとしてこのコミュニティが魅力なくなったとき。
プログラムを誰も使ってくれなくなったときかな。
そうなっては僕もプログラムの提供活動をする意味が無いだろう。

実は同じ体験を20年前にしている。
某パソコン雑誌のライターをしていた頃の話だ。
Z80という8ビットのCPUを使ったパソコン向けにプログラムを作っていた時期がある。
時代は16ビット移行期。CPUがZ80からi8086へと移行する中、最後までZ80にしがみついていた。
あの時は、どうあがいても時代の流れには逆らえなかった。

だけど今はどうだろう?
基本性能としては現役のPDA
運用の道筋さえ示せれば、PDAにはまだ可能性があるんじゃないのか?