それはいわゆるひとつの…サヨナラ

ここエド・コリガンも年食ったなぁと思わせる写真と共に書かれている記事がある。

その冒頭の一文

There will be no more PalmOS devices released by Palm(excepting the Centro getting released on other carriers). They're focused on webOS and Windows Mobile.

「There will be no more PalmOS devices released by Palm
 →(PalmによってリリースされるPalmOSバイスはありません)

「They're focused on webOS and Windows Mobile.」
 →(彼らはwebOSとWindows Mobileにフォーカスします)
 
つまりこれは、公にPalmPalmOSに別れを宣言している瞬間のインタビュー記事なのです。

ついに、この時が来てしまいました。
みんな心の中ではうすうす分かっていたはず。いつかこんな日が来る事を。

でもそれは、まだ先の事かもしれないと目の前の現実から目をそらし、「もしかしたら」と淡い期待を誰もが抱いていた。

でもやはり、復活の日は訪れませんでした。

Palm preの発表のとき、その反響の大きさを複雑な思いで見守ったPalmOS愛好者は多かったはず。
その製品は旧来のシステムとの互換性を捨てる事で記者たちに熱狂的に迎えられたのですから。
この手ごたえが、今回の決断の最後の一押しになったのかもしれませんね。

ともかく、コリガンの言ったとおり今後PalmOSを搭載したデバイスが、Palmから発売される事は無いでしょう。
まだACCESS社からALPの中の機能の一つとして市場に出てくる可能性はありますが、本家からの終了宣言は、事実上の「終わり」を告げているように思います。

8年前の夏にVisor Platinumを手にして以来、僕はPalmに惚れ込んで使い続けました。
ユーザが一番触れる機会の多いユーザインタフェイスでここまでバランスの取れたものは、現時点でもPalmOS以外に見当たらないと思っています。
確かに、時代の流れに乗り遅れた部分はあったかもしれません。
今では全てが平均点なのかもしれません。
でも、Windows Mobileなど他のモバイルデバイスを触って思うのは、皆得手不得手があるなぁと言うこと。

アップルのiPhoneなどはかなり洗練されたUIを搭載していますが、あれで長文を書く気にはなれませんし、Windows Mobileは確かに多機能なのですが、その分動作が緩慢で咄嗟の時にすぐ使えません。
全てが平均点と言うのはとても凄い事なのです。

しかし基本設計は10年以上前。確かに色々と改造されてきたとは言え、そろそろ世代交代の時なのかもしれません。

少なくともPalmPDAというカテゴリをメジャーに押し上げ、その後の携帯電話市場にも多大な影響を与えたスマートフォンの礎を築いたのは間違いありません。
そんな大役を終えて、静かに歴史の表舞台を去ろうとしているPalmOSに、お疲れ様でしたと言っておきましょう。

そして、手元のPalmOSバイスが動作する限り、僕はまだ使い続ける事でしょう。