UMPCについて考える

Origamiプロジェクトと言うかUltra Mobile PCと言うか、例の手のひらで動作するWindowsPCですが、モバイラーとしては是非とも成功して欲しいプロジェクトなのですが、色々と用途を考えても思いつきません。

オフィスや自宅からPCを持ち出し、フィールドで使用するスタイルってどんなんなんでしょう?
僕らが卓上のPCで行う作業と、フィールドに持ち出した電子機器で行う作業には明らかに違いがあります。
卓上のPCで何やってるのかといえば、ビデオの編集やプログラミング。
これらをUMPCでやろうなんて考えただけでもぞっとします。
あとはメールを見たりWebブラウジング
これは使えるかもしれませんね。
でも、これは京ぽん2があればOK。強いて言うならPalmもありますし。

出先でふと気になった、ブログやボイス向けのネタや原稿を書き溜める?
これもPalmがあれば十分。ボイスなら録音までやってます。
テキスト書きなら、900gもあってバッテリが2.5時間しか持たないPCより、手軽なPDAで書き溜めた原稿をPCに流し込んだ方が楽です。

ならメディアプレイヤー?
iPodなどの専用機の方が使い勝手よさげですよ。

と言う訳で、既存の使い方をするならば、それに特化した専用機に分があると思うわけです。

となると、このモバイルノートよりも僅かに軽いくてバッテリの持ちが中途半端なPCは、いったい何の役に立つのかが見えてこない。
元々、PCと言う事で汎用的な用途に答えようとしていて、守備範囲が浅く広くなってしまうんですね。と言う事で専用機にはかなわない。

一方、最近多機能化が著しい携帯電話機ですが、こちらはあくまでも「電話」を主軸にコミュニケーション端末という顔があるから、その他様々な機能を載せてもブレが生じない。
自分の土俵というものがあるんですね。

いや、PCにも自分の土俵はあります。でもそれは卓上PCの領域での話。モバイルノートPCを見ても、あくまでも卓上PCの環境を持ち運べるようにしたものです。
UMPCは、その土俵を捨ててプラットフォームだけを持ち出しちゃったのが痛いですねぇ。
おかげで、PCの汎用性が悪い方向に作用して、ビジョンがまるで見えない。

UMPCに必要なのは、プロジェクトを成功させるために必要なキラーアプリキラーコンテンツだと思っています。
マイクロソフトがこういったものを提示できずに、PCだけポンと市場に放り出してしまったのなら、このプロジェクトは残念ながら人々に振り向かれる事無く消えていってしまうのではないかと思ってます。

少なくとも、たった2.5時間で使えなくなる端末のために、900gもある物体を持ち運ぶような酔狂な輩はそう多くはいないでしょう。
せめて、1回の充電で8時間。1回の外出を無事こなせるようにならないとダメでしょうねぇ。
そうなれば、PCの汎用性がプラスに作用して、新しいモバイルソリューションとして活躍できる機会もあると思っているのですが…。