何故携帯電話で定額制導入が難しいのか

通話でもデータ通信でもそうですが、PHSウィルコムが定額制を導入しているのに、何故携帯キャリアは同じようなサービスが簡単に展開できないのでしょうか?
これは巷でも言われていますからご存知とは思いますが、PHSと携帯電話の仕組みの違いに原因のひとつがあるようです。
定額制導入になると、ユーザは料金を気にする事無くデータ通信や通話を行うようになります。すると、当然基地局で受信するデータ量が増える訳です。
PHSの場合、基地局が分散していますからひとつのアンテナが受信するデータ量にはそれほど影響がありませんが、携帯の場合大出力のアンテナで広範囲をカバーしますので、アンテナ1本あたりでさばくデータ量が確実に増えます。
すると、1本のアンテナでさばける量を超えたデータがアンテナに集中すると、通話・通信品質が落ちますから、キャリアは品質を確保する事が大変になります。
もう10年近く前、ドコモのムーバの通話音質ががた落ちになって「ピロピロ声」で通話していたのを記憶されている方もいると思いますが、まさにそんな状態です。
なので、定額の料金を高めに設定したり、二段階定額プランを設定するなど、ある程度ユーザが通信・通話中にある程度料金に気を配る必要があるプランでお茶を濁している。そんな感じでは無いでしょうか。
もっともPHSだって、アンテナから先の通信回線にデータが集中すれば同じ事ですから、PHSなら万全などとは言えない訳で、お互いの利点欠点を見比べながら魅力的なサービスを見極めるのが必要なんだと思います。