日食見えた!!

先日の日記で、ピンホール太陽観測器の制作の話をしました。
もちろん、目的は本日の金環日食観測でしたので、その顛末についてお話しさせて頂かないといけませんね。

そんな訳で事前の入念なロケハンの結果、出かけた先は自宅から自転車で5分ほどの場所にある、JR東日本車両基地をまたぐ某陸橋。
ここは歩行者と自転車しか通ることが出来ず、陸橋ということで周りよりも一段高い位置にあり、さらに車両基地ということで周囲に遮る建物も無く絶好のポイント。
僕は7時過ぎに陸橋に到着しましたが、既に近所の住民と思われる方が日食を見るために集まっていて、ソコソコ賑わっていました。

問題はお天気。
家を出た時は太陽の光が燦々と照りつけていたのですが、現場に到着すると同時にこのような状態に。

依然として晴れてはいたのですが、突如現れたうろこ雲が我々をあざ笑うように肝心の太陽の周りだけ覆い隠すという冗談のような事態に。

太陽は分厚い雲ごしに、肉眼で輪郭がくっきり確認できるほど。
集まった周りの方々も暗すぎて日食グラスでは役に立たない模様です。
直接太陽を見る日食グラスでその有様ですから、間接的に太陽を見る僕のピンホール観測器は全く役に立たず。
第一、爪楊枝でこしらえた照準器の影が立たないため太陽の方角を捉えることが出来ませんでした。

「ああ、天は我々を見放したか…」

悪い予感が頭をよぎりましたが、神は我々を見捨ててはいませんでした。


埼玉で金環日食が始まろうとする7時半過ぎ、雲の隙間からチラチラ強い光が覗くようになってきました。
僕の観測器でも、照準器に弱々しいながらも影が立つようになりました。
まだ十分に強い光ではないので観測器の上段をたたみ、全長を60cmに短くして観測開始。
こうする事で、結像する太陽の直径は小さくなりますが、光量を稼ぐことが出来ますので、光が弱くても観測することが出来ます。

そして、





金環日食捕らえた〜〜〜!!」

光が弱いのでかすれ気味ですが、くっきりと捕らえています。
周囲の日食グラスを持参した近所のオジサンやオバサン達からも歓声が上がっています。

その後、絶望的だったうろこ雲が加速度的に散らばって何処かに消えてしまい、力強い光量を得られたので、観測器も全長を最大の90cmまで伸ばして観測。
金環日食は終わってしまいましたが、くっきりと太陽を捕らえました。





そんな訳で、観測器も何とか役に立ったようです。
実際に使用して思ったのですが、今日のように雲が立ち込めるとピンホール観測器は役に立ちませんね。
照準器に影が立たないと、太陽の方向に向けることすらままなりません。
そういう時でも直接太陽を見れる日食グラスの方が役に立ちます。
へそ曲がりの性格で購入しませんでしたが、改めて持っていて損はないものだと実感しました。

ただし、皆んなが日食グラス片手にワイワイやっている中で、一人だけ長い筒を空に向けている姿は周囲の注目を浴びる事になり、興味本位で話しかけてきて下さるオジサンやオバサンに仲良くして頂き、和気あいあいの非常に楽しいものとなりました。

さてそんな楽しかった早朝の観測も、仕事に向かう時間が来て中断。
仲良くしていただいたオジサン、オバサンに別れを告げて自宅のアパートに一旦戻りますと、アパートの駐輪場の地面に射している木漏れ日が、見事な日食状態でした。





隣は同時刻に同じ駐輪場で観測器を使った結果です。
全く同じ形してますね。(^^)

そんな訳で結果は…

大成功!!(^^)v