Palmの凄いとことダメなとこ

いやtwitterでも書いたのですが、Palmアプリケーションボタンって凄く重要だなと思うのです。
お気に入りのアプリを登録しておくと、ボタンを押すだけでそのアプリを起動できる。
ランチャー画面からも当然起動できるのですが、画面はランチャー以外に実行アプリの表示領域にもなるわけですから、最悪の場合アプリを終了させてからランチャー画面でカテゴリを切り替えてアプリを起動なんて事になる。
AndroidiOSでも多少の手順の違いこそあれ、一旦ランチャー画面経由で新たにアプリを起動する事になります。
ところがこのアプリケーションボタンがあれば、ボタンを一発押すだけで目的のアプリが起動するわけです。いや〜便利便利。
ところが何故か、最近のスマートフォンと呼ばれるものはこう言った類のボタンがありません。ツルッとしたガラス板の周りには申し訳無さ気にホームボタンが一つ有るだけとか、そういったシンプルなデザインが流行りのようです。
確かにボタンが少ないほうが格好良く見えるかもしれませんが、機能的には美しくないですなぁ。
Palmの設計思想は、目的の情報に辿りつくのにどれだけ画面のタップやボタンを押す回数を少なくできるのかという事が第一。
これをソフトウェアとハードウェアの両方から真剣にアプローチしてきたのは有名な話。
別にアプリケーションボタンが必須とは言いませんが、AndroidiOSもそれに代わるような仕組みを用意したとはまだまだ言えないと思います。

一方、Palmが現在のスマートフォンと比較して時代遅れだなと感じるのは、やはりセキュリティ面の甘さでしょう。
いや、機能としてはPIMにプライベートデータとパブリックデータを分けて登録できるなど、セキュリティに関しての機能は用意されています。
しかしデータベース上の生データを直接覗くと、それらのセキュリティが全く役にたたない事が分かってしまいます。
本来の用途であるオーガナイザであれば、この程度で十分なセキュリティを保つことができたかもしれませんが、いざスマートフォンとして考えるとこの程度のセキュリティしか持っていないのは致命的です。
ネットワークから悪意のあるプログラムが侵入してきた時点で、簡単にデータを盗まれてしまうでしょう。
その点はOSレベルできっちりと第三者アプリから情報を隔離しているiOSや、クラウド側に情報を隔離している(これが安全かどうかは別の議論ですが)Androidの方がPalmよりも上の次元でセキュリティ対策が出来ていると言って良いでしょう。

さて、そうやって整理するとPalmOSの立ち位置を見極めることが出来ます。
PalmOSは元々オーガナイザ向けに開発されたOSですし、その分野では今でも十分に戦闘力を持っていると言い切ることが出来ます。
それが何の因果か昔から携帯電話にケンカをふっかけ続けて、今やこの体たらくです。
元々得意ではない他人の土俵で勝負をし続けてこの位置をキープできたのは凄いことなのですが、やはり今時のスマートフォンと争うのは限界かなぁと思います。
ネットワークと切り離した所に立ち位置を変えることが出来れば、PalmOSまだまだ第一線で活躍できるポテンシャルを秘めていると思っているので、例えばPalmOSベースの電子辞書などを作ってくれる企業がないかなぁと、今でも真剣に考えてしまうのです。